トラップコイルの作成
トラップコイルの共振周波数は f=1/2PiSQR(LC) で決まります。
LCの組み合わせは無限にありますが、Lを大きくしてCを小さくすると外側エレメントのバンドでは短縮率が大きくなり帯域幅が狭くなることが懸念されます。
そこで適当な短縮率となるように、LとCのリアクタンスが同じとなるように ωL=1/ωC でトラップを作成しました。
トラップのキャパシターには 3C-2V の同軸ケーブルを利用し、同軸キャパシターとました。
3C-2Vの静電容量は約70pF/mなので、目的の静電容量となる長さに余裕分を含めた長さでカットします。
塩ビパイプにコイルを巻き 同軸キャパシターを並列に接続して、目的の周波数に共振するようにコイルの巻き数を粗調整します。
最後の微調整は同軸キャパシターの長さで調整します。
なお、トラップコイルの共振周波数測定にはディップメータを使用しました。
防水処置として同軸キャパシターの編線に雨水が染み込まないように、同軸ケーブルの切り口を接着剤で固めました。
また、トラップコイル自身は自己融着テープを巻きつけ、その外側にビニールテープを巻きました。
共振周波数調整
まず最初に14MHzフルサイズDPのエレメントをカットします。
14MHzのエレメント先端に14MHzのトラップコイルを接続し、その先端のエレメント長で10MHzに共振するようにカット&トライを行います。
ただし、14MHzトラップコイルの同軸キャパシターを10MHz帯エレメントに沿わせると共振周波数が高くなります。
この特性を利用して同軸キャパシターの沿わせる長さを変更することで共振周波数を調整することにし、共振周波数調整用のヒゲは使用しませんでした。
なお、14MHzトラップコイルを接続したことによる14MHz帯への影響は無く、共振周波数がずれることはありませんでした。
上記調整を同じように7MHz帯でも行います。
使用感
設置環境の影響でSWR最良点は1.5程度ですが、バンド幅は問題なく確保できました。 雨による共振周波数の影響もないので、コイルの防水処置は特に問題ないようです。 なお、地上で調整した状態と設置後の状態では、予想以上に共振周波数のズレが発生したので、調整用のヒゲを使用した方が良かったと思います。
トラップコイル端のエレメント長
・10MHz : 90cm
・7MHz : 1.5m
トラップコイルデータ
・14MHz
φ34mm 12t
同軸ケーブルキャパシター 45cm
・10MHz
φ40mm 18t
同軸ケーブルキャパシター 47cm